秋の味覚コース『小布施栗』ワインペアリングと題して、久々にソムリエ谷口が解説します。
内容は次の3つのテーマで進めていきます。
- ワインセレクト
- ワインペアリング
- ワインへの思い
ワインに興味のある方は、最後までご覧ください。
とっておきの秘密情報が隠されていますよ。
🍷秋のスパークリングワイン🍷
André Ehrhart Crémant dʼAlsace
アンドレ・エルハート クレマン・ダルザス
生産地域:フランスアルザス地方
葡萄品種:ピノ・オーセロワ40%、シャルドネ40%、ピノグリージョ30%
醸造:瓶内2次発酵。澱と共に24カ月以上熟成。
概要:アンドレ・エルハートは、ハウルの動く城のモデルとなった街、コルマールから南西5kmに位置する、ウェットルスハイム。村はアルザスワイン発祥地の1つであり、アルザスで最も重要な産地の1つ。
🍇ソムリエから🍇
2019年のフランスワイン研修において、立ち寄ったアルザス地方街コルマール。
あの時の美しい街並みと実際に見たハウルの動く城のモデルの家等が走馬灯のように蘇ってきました。
コルマール市内も到着時からいそいそと街中散策をし、またしても朝5時からの散策。家々がカラフルでとても綺麗でかわいらしく美しい街です。アルザス地方の中でも有名な街の1つです。
このワインを探し当てた時のワクワク感と実際にテイスティングをした後の何とも言えない安心感から、これに決定。
非常に繊細で爽やかな泡と濃密な果実感・複雑味が、最初の一品“秋のアソート”の様々な食材どれとも合いますよ!
★2019 フランスアルザス地方コルマールの街を訪れた写真をご覧ください。
1枚目がハウルの動く城のモデルとなった家です。
◇料理:【秋のアソート】
- シェフ特製茸のテリーヌ
- 柿とスモークサーモンとモッツァレラチーズ
- 南瓜のムース レンコンチップ添え
🍷前菜:栗と茸のパイ包焼きと白ワイン🍷
CavedeTain CrozesHermitageBlancBio
カーブ ド タン クローズ エルミタージュ ブラン ビオ
生産地域:フランスコートデュローヌ地方“タン”
葡萄品種:マルサンヌ
醸造:樽発酵
概要:北ローヌ最大、最高級の銘醸地 クローズエルミタージュの丘南麓で栽培された葡萄により醸造。フランスで最高の協同組合であるだけでなく、北ローヌ最高の生産者でもあるとワイン評論家ジャンシス・ロビンソンMWからも称賛される。
🍇ソムリエから🍇
このワインに出会った時、やはり2019年フランス研修初日のコートデュローヌ地方“タン”が思い浮かびました。
朝5時からの村散策・・・ローヌ川、川にかかる橋、街並み(村)、川向こうの小高い山を囲む葡萄畑、どれも忘れられませんね。
このワインをテイスティングした時、この地方特有の暑さ、朝夜の寒暖差、空気の乾燥具合(雨少ない)、そして急斜面の葡萄畑。こういう土地から生み出されるワインが、まさに今飲んでいるワイン。なるほど~と感心。やはりワインは、気温、気候、土壌、そして人がポイントです!
じっくりと口の中でワインと対話。
自然派だけに優しい口当たりとほのかに香る樽熟成由来のバター&ナッツ感。ひっそりと奥ゆかしく味わえる程度に優しい果実の凝縮感。
💡マリアージュはどう考える💡
◇パイ包み焼き⇒パイ包み焼きのバターの立ち上る焼いた感じ。
◇茸⇒茸の持つ味と風味の複雑感、栗=甘さとほくほくさ。
これらを頭の中でイメージした時に、
①樽熟成
(木の焼いた感じ・・・木は高温で温めると柔らかくなり曲がるので、樽の中をバーナーで焼きます)
②味に個性を感じる葡萄品種
(それぞれの食材の組み合わせた時の複雑感を重視・・シャルドネでもいいですがねェ・・・)
まとめると、樽の感じ、茸の風味、栗の甘さ を考えた時に、樽熟成で複雑感があり甘い果実感のあるワインと断定!
それらを併せ持つのはフランスではコートデュローヌ産だな!と決めました。他にも色々なワインでテイスティングをし、良いのもありましたが、やはり最終決断は、心に残るかどうかです。
(実際には、行ったことがある村と畑のワインってとても感動的でとても重要ですよ)
💀裏噺~ブラックソムリエTから💀
実際には、その料理にある程度合う組み合わせのワインは沢山存在しますし、個人の好みでもあります。
厳密にいうと、野球でいえば、そのバッターのストライクゾーンに入っていれば、外角高めだろうが低めだろうがストライクですね。ですのでその範囲に入っているワインは~ストライク~ッ!なんですよ。
ソムリエ試験では無いので、ド・ストライク!なんて真剣に探していると、あっというまに時が過ぎ、お金がいくらあってもたりません。要は、飲んでみた時のフィーリングです。 癖が強すぎず、えぐみも控え目、まるく柔らかく口の中を通り過ぎていく。そして飲んだ後の余韻がいつまでも口内に残るワインがいいですね。
また、更に盛り上げる為にはお客様とのコミュニケーションが一番大事!お客様とのマリアージュですね!
★フランスコートデュローヌ地方 “タン” エルミタージュの丘からのローヌ川と街の風景。遠くの山並みはドイツです。
◇料理:栗と茸のパイ包み焼き
この食材の組み合わせは、秋にふさわしくしっかりと季節感が溢れています。
個性的な茸の味、栗の甘さ、そしてサクサクのパイの香ばしさ。そこに更に自家製鶏レバームースをつけて食べる時に至極とはこのことだと思います。
けして高級食材をふんだんに使っているわけではありません。
でもそれぞれの食材の持つ旨味が合わさることで生み出される、最高のハーモニーがその高級という幻の価値を超えるのだと思います。
🍷メイン料理 と赤ワイン🍷
Il Valentiano Brunello di Montalcino Campo di Marzo
イルヴァレンティアーノ ブルネッロ ディ モンタルチーノ
生産地域:イタリア トスカーナ
葡萄品種:サンジョベーゼ グロッソ
醸造:樽発酵
概要:イタリア3大銘酒としてバローロやバルバレスコと並ぶ高級ワイン。通常は高級ワインの部類に入る中でもラズベリーやチェリーなど赤系果実のエレガントなアロマに、ほのかなバニラやスパイスのニュアンス。しなやかで流れるような味わい。
🍇ソムリエから🍇
5HORN Dining FAINALまであとわずか。
最後の秋には、ハイクラスのワインを飲んでほしいというところからワインセレクトスタート。
通常、鴨肉はピノ ノワールで合わせることが多いですが、ありきたりで面白くないので私は使いません。秋は春頃からイタリアと決めていました。そして、今回のブルネッロモンタルチーノは、秋に飲むにふさわしいワインとも言えます。
どうして秋にふさわしいのか
⇒⇒飲んだ瞬間に感じる秋の森の中の寂しさと枯れた木々のニュアンスが溢れているからです。
よい瓶熟成によりこのように枯れた感じが出てきます。
💡マリアージュを考える💡
今回のワインは、力強さとエレガント(優しさ)を兼ね備えたミディアム~フルボディ。鴨肉の弾力と肉の旨味にはぴったり。
また栗のリゾットのクリーミィで濃厚さ、茄子のソースや五郎島金時等を合わせた時の、様々な食材が絡み合う複雑感とワインの熟成感で、ほろっと笑顔がとろけるでしょう。
💀裏噺ブラックソムリエTから💀
フランスとは違い、イタリア訪問の経験はありません。ですので思い出も無くこれ以上話はありません。
どっちかというとソムリエ試験勉強時の印象が強かったです。
20州それぞれ別々の全く違う個性を持つイタリアワインを勉強中、本当に挫折しそうになったあの瞬間、ひたすら紙に書きなぐって覚えたDOCGの一覧表(当時約50種・・現在は70種以上)
※DOGCとは・・イタリア20州原産地呼称制度の中の最高級ランクの総称
その中でも、トスカーナ州産のイタリアを代表するワイン“ブルネッロ ディ モンタルチーノ”が印象的でした。
当時、このワイン名がとても格好良く思えこのワインはすぐに覚えた記憶があります。
バローロのように明らかにイタリアワインの王様というよりも、控え目であまり一般的に知られていないのに高級感と実際の実力はバローロと同等クラス。ミーハーなワインで無く玄人好みだということです。そのワインを何と5HORN Diningでグラスで飲めるなんて、本当幸せものですよ。
◇料理:鴨のコンフィ 栗のリゾット 五郎島金時添え
といったところで、秋の味覚コースとワインの話をここまでです。
1年間続けてきた五千尺コミュニティワイン風に記してみました。(現在ワイン会は終了しておりますが、閉店までに1度だけ開催します・・1月下旬ですかね)
また追って告知します。
5HORN Dining FAINALシーズン秋の味覚コース
最後の秋!食事とワインとソムリエとの会話をぜひお楽しみください。
予約・問い合わせは、以下をご覧ください。
秋の味覚コース「小布施栗」
日程:10月18日(金)~10月19日(土)
価格:お一人様4,900円(税込・ドリンク別)
時間:ディナー:17時~18時半(最終スタート)
内容:
- 【冷前菜】「シェフ特製 茸のテリーヌ」「柿とスモークサーモンとモッツアレラチーズ」「南瓜のムース レンコンチップ添え」
- 【温前菜】「栗と茸のパイ包み焼き」
- 【メイン】「鴨肉のコンフィと栗のリゾット 五郎島金時添え」
- 【デザート】「小布施栗のモンブラン」
- 【ドリンク】「コーヒー又は紅茶」
ワインは谷口ソムリエのペアリングをお楽しみいただけます(ノンアルコールもあります)。
詳細は次回ブログをお楽しみに。
秋の味覚コースは、LINE・メルマガ5HORN会員様限定メニューです。
お申し込みは、10月1日(火)配信予定のLINE・メルマガをご覧ください。
まずは、会員登録を。